top of page

①森林の整備・保全

 

知り合いから以前こんな質問をされたことがあります。

-木を伐ってしまったら逆に森林破壊になっちゃうんじゃないの?-

 

確かに、自分の地元の近くには「西川材」と言う優良な杉・桧の産地ですから、ドライブしながら緑豊かに覆われた森を眺めたりすると、せっかくこんなにきれいな森なのにわざわざ木を切る必要もないと思われているのでしょう。しかしその森の足元は、実は光が届かず薄暗く、下草も生えなくなり栄養不十分な土壌となっている所が結構多いのです。頭だけに枝葉があり、胴体はヒョロヒョロな幹。・・・どっかで見た姿。そうあの「マッチ棒」の様な木が生えている所が多いのです。

そうなってしまいますと、十分な栄養がまわらず丈夫な木が育たなくなります。そうなると十分に根がはっていませんので、土を留める力もなくなり土砂崩れ等の危険も出てきます。そうなる前に、ある程度木と木の間隔を空けながら木を伐り(間伐という)土壌に陽の光を与え、下草や小動物が暮らせるような健全な森づくりを造っていかなければなりません。「木を育てる事」と「木を伐る事」は永い歳月をかけ、健全なバランスを保っていかなければならないのです。

私は、地元の近くに西川材という優良な産地がありますので、少しでもこの西川の森や林業の健全なバランスを維持して頂く為に微力ながら協力させて頂く所存です。

 

 

 

 

②木材循環利用の促進

 

ただいま文章熟考中。

 

 

③地球温暖化防止につながる

 

-え?木を燃やせば二酸化炭素は発生するでしょ?-

 

そう思われている方、多いのではないでしょうか?

ではなぜ温暖化防止につながるのでしょう?

それは、その二酸化炭素の元をたどれば、大気中の二酸化炭素が木材に取り込まれたものです。その木質材料を例えば燃やしたりする事で二酸化炭素が放出されたとしでも、もともと大気中にあった二酸化炭素分なのでCO2発生量をゼロとみなす事ができるのです。

つまり、木が成長する際におこなわれる光合成によって吸収される二酸化炭素量と燃焼時の排出量は相殺できるのです。

それに比べ、地中から堀り出される化石燃料は、地中に還ることができなく消費されるだけなので、使えば使う程大気中の二酸化炭素は行き場を無くし、増えていくのです。これが「地球の温暖化」の原因となるのです。(ここまでが一般論)

 

だったら、切った木を使って家を建てて20-30年住んでその後燃やしてもゼロじゃん。

こんなご意見もあるかも知れません。

しかし、せっかく20-30年溜めてきた二酸化炭素を燃やすことで一瞬にして一気に20-30年分増えてしまいますよね。それだと地球温暖化防止にはつながりません。

例えば日本の住宅で良く使われる杉・桧材が、柱や梁などに使われるまでには苗木から約60年前後が伐り頃・使い頃と言われております。杉や桧も60年位経つと二酸化炭素を吸わなくなってきます。もし仮に60年物の材料を使って30年位しか住まなかったら、余りの30年分せっかく溜めてきた二酸化炭素を放出する事になってしまうのです。なので、最低でも60年は持つ住宅をこれから造って行かないといけないのです。

 

これからは子供達のためにCO2排出量を減らしていく努力を我々親世代はしていかなければなりません。

日本の木を使い、確かな大工の腕で造られた家は、定期的なメンテナンスをしっかりおこなえば百年以上持つ家となります。

その期間、二酸化炭素は「貯蔵」されることになるのです。

 

そんな取組として、埼玉県では「埼玉の木づかいCO2貯蔵量認証制度」というのがあります。

貯蔵量も数値で目に見える形で表されているので良い試みですよね。

 

④伝統的技術の継承及び向上

 

地産地消そして“地育”の試み

 -地元・埼玉の木で地元の若い大工を育てる-

 

地産地消という考えは、世間に浸透しましたね。地元の活性化につながり、非常に良い試みだと思います。

我々も、地元の木を使った家づくりをしているので、地産地消に少しは貢献してきた様に思います。

ただ、家づくりを通じ、地産地消以外に何か違う形で、世間に貢献できることはないかと考えた時に、地元で作られた物を地元で消費するだけでなく、それを造る人を“育てる”という考えから「地元の木で、地元の若い大工を育てる」という“地育”という考えにたどり着きました。

ただ単に、住宅を造れば良いという訳ではありません。我々にはメンテナンスを通じ、造った家を永く守っていく責任があります。その為には、若くて優れた技能者が必要となり、そんな大工になりたい若者達を積極的に受け入れている工務店が必要となってきます。そこでは「技術」や「大工の心得」など実際の現場を通じて棟梁他先輩から学ぶ事で、一人前の大工として身も心も成長する事でしょう。おかげさまでそんな志が高い工務店が私の周りにいる事はありがたい事です。

 

 

nico設計室 facebookページへ→

  • Facebook App Icon
bottom of page